- 健康経営
- 2021.03.25 (最終更新日:2022.04.06)
ストレスチェックは意味がないのか。そう感じる理由や不安について
- 目次
ストレスチェックの内容とは
「ストレスチェックは意味ない」と感じる人の中には、本制度の内容や目的を理解していない人もいるのではないでしょうか。ここでは、本制度の基本について紹介します。
本制度で確認する項目は大きく3つに分かれています。確認する項目は以下の通りです。
ストレスチェックとは
そもそもストレスチェックとは、どんな制度なのかを今一度確認しましょう。ストレス社会と言われる現代では、仕事で精神的なストレスを受けてメンタルヘルス不調になる人が増加しています。そのためメンタルヘルス不調になってからではなく、なる前から対策できないかと考えて始まった制度です。気づかないうちに溜め込んでしまいがちなストレスのチェックをすることで、働く人たちがストレスに気づくきっかけになることを目的としています。ストレスチェックで調べる内容とは
さまざまな質問のあるストレスチェックですが、大まかに分けると以下の内容を確認します。- ストレスの原因になっているのは何か
- ストレスが原因で心身に影響が出ていないか
本制度で確認する項目は大きく3つに分かれています。確認する項目は以下の通りです。
- 仕事のストレスの原因
- 心身のストレスによる反応
- 周囲のサポートがあるかどうか
ストレスチェックが意味ないと感じる理由
ストレスチェックに関しては、しばしば「意味ない」「なんのために行っているか分からない」とのネガティブな感想が耳に入ります。それはどうしてでしょうか。
【本制度に対する4段階の評価】
ストレスチェックの課題とは
本制度に対する理解不足が原因で、実施のための準備が進まないのではないかと考えられます。本制度の内容や目的を知るまで、会社で実施する健康診断との違いを問われると明確に答えられない人もいたのではないでしょうか。また、本制度を実施する方法について悩む会社も多いです。社内で実施するか、外部の専門家に協力してもらうか。自分の会社にはどちらの方法が合うのか分からない会社も多いことと思います。医師もストレスチェックに疑問を感じている
会社でストレスチェックを受けても意味ないと感じる人は多いことと思います。このことは現場で働く社員だけではなく、社員と関わる産業医も感じている人が多いです。たとえば、本制度に対する評価を以下の4段階に分けます。【本制度に対する4段階の評価】
- かなり効果がある
- どちらかと言えば効果がある
- どちらかと言えば効果はない
- まったく効果はない
外部リンク参照
NEWS RELEASE メドピア株式会社より
机上の空論にすぎないから
「現場で働く社員の状況を知っているのなら、このような取り組みは行わない」との意見があります。ある産業医はストレスチェックの制度に対して、現場の状況を知らない偉い立場の人が机上で考えた印象があると回答しているのです。ストレスチェックに関係する研究班のメンバーを確認しても、企業側の代表者がほとんどいない状態なので、現場の声がますます届きにくいと感じたのではないでしょうか。本当に悩んでいる人は言い出せないから
本当にメンタルヘルス不調で悩んでいるのなら、周囲に知られることに不安を覚えて、結果を正しく申請しない人が多いです。うつ病を患っている人は会社に知られたくないがために、あえて良い結果になるようチェックします。面談の場で日常的に溜まっている不満や苛立ちをたくさん話す人はいるのです。しかしこれでは、「メンタルヘルス不調になる前から対策をする」との趣旨から外れているのではないか、と疑問に思います。その後の体調不良まで予測できないから
現代社会で働く人なら、誰しも多少のストレスがあるものです。高ストレス者だと判断した人に医師と面談してもらっても、今後メンタルヘルス不調になるかどうかは分かりません。会社が本来負うべき責任を産業医に負わせるのも、意味のないことだと感じている人がいます。
当コラムでは、職場の人間関係について情報発信をしています。以下のコラムでは、職場の上司と合わないことで悩んでいる人に向けて付き合い方などをまとめましたので、合わせてご覧ください。
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ストレスチェックの効果を感じられた理由
ネガティブな意見が多いですが、ポジティブな意見がゼロだというわけではありません。ここでは、効果を感じられた理由を解説します。
ある程度の意識改善に繋がると考えたから
制度が始まったことにより、ストレスに対する関心が薄かった管理職の意識を変えるきっかけになるとの意見があります。会社によっては多くの高ストレス者が医師との面談を希望したので、ストレスチェック担当者が驚いた事例もあるのです。早いうちに専門家に相談できると感じたから
ストレスのことが客観的に分かるので、ストレスチェックの結果に基づいて速やかに産業医に相談することが可能です。また、うつ病を発症する前の対策に繋がることもあります。ストレスを確認する制度があると広く知られることによって、メンタルヘルスの重要さが広まるきっかけにもなるのです。ストレスチェックの結果の取り扱いについて
ストレスチェックの結果の取り扱いは、どのように行われるのでしょうか。
本制度の実施者は保健師や医師などの資格が必要ですが、制度担当者は人事権を持つ人にも可能です。しかし人事権を持つ人には、社員個人の情報を扱うことはできないようになっています。このようにストレスチェックでは、個人情報の取扱いに十分注意しているのです。
会社や上司に結果が伝わることはない
ストレスチェックで正しい回答をすることに不安を覚える人は、「会社や上司に結果が伝わらないのだろうか?」と考えている人も多いことと思います。個人の結果を確認できるのは、ストレスチェックの担当者に限られているのです。厚生労働省がストレスチェックの運営に関する規定を公表しています。規定を確認すると本制度に取り組むうえで社員に悪影響が出ないように気を配っていることがわかるのです。外部リンク参照
労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度実施マニュアル
ストレスチェックでは個人情報の扱いに注意している
本制度には実施者と実施事務従事者、制度担当者との考え方があります。実施者とは名前の通り本制度を企画し結果の評価をする人のことで、事業者とは異なるのです。専門的なアドバイスや評価方法の確認をしたりします。実施事務従事者は実施者のサポートを行う人のこと。実施事務従事者の業務内容には、調査票の配布・回収や個人へ結果を知らせることなどがあります。制度担当者は本制度の実施計画の方針を定めたり管理をしたりする人です。本制度の実施者は保健師や医師などの資格が必要ですが、制度担当者は人事権を持つ人にも可能です。しかし人事権を持つ人には、社員個人の情報を扱うことはできないようになっています。このようにストレスチェックでは、個人情報の取扱いに十分注意しているのです。
誰が検査結果を扱うのか
本制度において個人情報の閲覧が可能なのは、実施者と実施事務従事者に限られています。人事評価が可能な人は実施事務重視者になることができません。人事権を持たない総務部の人が担当することが多いです。個人情報の閲覧が可能なのは、社内でもごく一部の社員だけになっています。ストレスチェックの情報開示について
事業者に本制度の情報を開示するのは、社員本人の同意があるときのみと限られています。本人からの同意の貰い方にも決まりがあるので、同意の意思がないのに勝手に決められることはあってはいけないのです。たとえば、他の誰かが変わりに同意をすることや社員代表が全社員を代表して決めることはできません。本人が検査結果を知る前に同意を取ることもできないと決められています。このようにストレスチェックの情報開示については、詳細な規定があるのです。メンタルヘルスケアの現状と成功事例について
ストレスチェックに関しては否定的な意見が多いですが、会社のメンタルヘルスケアは進んでいるのでしょうか。ここでは、メンタルヘルスケアの視点から見てみましょう。
メンタルヘルス対策を行っている会社は、全体のおよそ6割と言われています。社員が50人以上いる事業場ではストレスチェックが必須なので、ほとんどの会社がストレスチェックをしているのです。小規模事業場のように会社の規模が小さくなるほど、メンタルヘルスを段階的に予防するのが難しい傾向にあります。予算や組織の仕組みなどの関係により、保健師や産業医を呼ぶのが困難なのです。事前に高ストレス者を見つけられても、面談が不可能なため段階的に予防することができません。
また別の会社ではトップダウン式を上手に利用して、メンタルヘルス対策を行いました。社長が自ら社員の健康作りに積極的になり、事業場に広めたのです。手軽にチャットできるツールを最大限に利用して、段階的なメンタルヘルス不調の予防に取り組んでいます。独自のストレス対策により受けているストレスが多いと判断した社員には、社員が速やかに声掛けを行っているのです。
メンタルヘルスケアの現状
長期間にわたってメンタルヘルス不調が原因の休職をする社員が多いのは、大規模事業場です。大規模事業場では業務内容や人間関係が大変だからというわけではなく、休職制度がきちんと整っており人材の確保がしやすいからと言えます。それに対して小規模事業場では、メンタルヘルス不調による退職が多いのです。会社にもよりますが、やはり大規模事業場と比較して休職制度が整いにくいのが原因ではないでしょうか。小規模事業場では、メンタルヘルス不調になった社員は退職しやすいと言えます。一概に「メンタルヘルスケアの現状」と言っても、会社の規模や職種ごとに異なるのです。メンタルヘルス対策を行っている会社は、全体のおよそ6割と言われています。社員が50人以上いる事業場ではストレスチェックが必須なので、ほとんどの会社がストレスチェックをしているのです。小規模事業場のように会社の規模が小さくなるほど、メンタルヘルスを段階的に予防するのが難しい傾向にあります。予算や組織の仕組みなどの関係により、保健師や産業医を呼ぶのが困難なのです。事前に高ストレス者を見つけられても、面談が不可能なため段階的に予防することができません。
メンタルヘルスケアの成功事例
小規模事業場が手の回らないメンタルヘルスケアにて、外部機関と連携して取り組んだ事例があります。ある会社では、中央労働災害防止協会からアドバイスを受けるようにしたのです。中央労働災害防止協会は中災防と呼ばれており、「全ての働く人々に安全・健康を」という目標のもと活動しています。中災防は事業主が行う労働災害防止活動の手助けをする機関です。1964年に今の厚生労働大臣から認可されて始まりました。中災防の本部は東京にありますが、各センターは大阪や名古屋などにもあります。同社には既に安全衛生委員会があったので、本委員会と協力して社員の手助けができる仕組みを作ったのです。間に外部機関を入れることによって、メンタルヘルス不調の対策を段階的に行うことができるようになりました。また別の会社ではトップダウン式を上手に利用して、メンタルヘルス対策を行いました。社長が自ら社員の健康作りに積極的になり、事業場に広めたのです。手軽にチャットできるツールを最大限に利用して、段階的なメンタルヘルス不調の予防に取り組んでいます。独自のストレス対策により受けているストレスが多いと判断した社員には、社員が速やかに声掛けを行っているのです。
当コラムでは、健康経営について情報発信しています。これまで個人の健康問題は自己責任だと考えられてきました。しかしこれからは、会社にも課題があると考えて社員の健康問題に取り組むのです。健康経営の増進や新型コロナウイルスの影響によりリモートワークを取り入れる会社が増えましたが、制度を取り入れた会社ならではの課題があります。以下のコラムも合わせてご覧ください。
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健康経営から見たメンタルヘルス問題の重要性とは
会社のメンタルヘルス不調の対策を知るには
精神的にあまり強くない自覚があり、メンタルヘルスに理解のある会社へ就職したい人もいると思います。会社が行っているメンタルヘルス不調の対策を知る方法はあるのでしょうか。健康経営を実施する職場では、健康に関する取り組みの一環としてメンタルヘルスケアに力を入れている会社もあります。
これまで紹介した基本的な取り組みを行うのはもちろんですが、働き方の改善として労働環境の見直しもするのです。一時的にケアを行っても根本的に改善されていなければ、再発する可能性があります。近年では長時間労働の見直しや、個人の仕事量の削減に注目する会社も増えてきました。たとえば個人の勤務状況を見えるようにして、実態を確認する会社があります。
健康経営を実施する会社の多くでは、自社の取り組みを公式Webサイトなどで公表しているのです。気になる会社の取り組みを確認すれば根本的に解決しようと考えているのかどうか、ある程度予測することができます。また健康経営について少しでも知識があれば、この取り組みを頭に入れた状態で情報収集が可能なので、視野が広がるのです。
これまで紹介した基本的な取り組みを行うのはもちろんですが、働き方の改善として労働環境の見直しもするのです。一時的にケアを行っても根本的に改善されていなければ、再発する可能性があります。近年では長時間労働の見直しや、個人の仕事量の削減に注目する会社も増えてきました。たとえば個人の勤務状況を見えるようにして、実態を確認する会社があります。
健康経営を実施する会社の多くでは、自社の取り組みを公式Webサイトなどで公表しているのです。気になる会社の取り組みを確認すれば根本的に解決しようと考えているのかどうか、ある程度予測することができます。また健康経営について少しでも知識があれば、この取り組みを頭に入れた状態で情報収集が可能なので、視野が広がるのです。
まとめ
ストレスチェックの内容や課題、意味がないと感じる理由などを解説しました。本制度を実施しても、根本的な問題である職場環境の改善に至らないことも、意味がないと感じる原因の1つだと考えられます。しかし個人が自分のストレスに気づくきっかけを作るという意味では、意義があるものだと感じました。このように、今のところはまだ個人の考え方によって意味が変わるのが現状です。しかし改善を重ねていくことで、多くの人がストレスチェックに意味を感じるようになるのではないでしょうか。
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