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  • 2021.03.19 (最終更新日:2022.04.06)

ホワイト企業の見分け方。健康経営優良法人認定など色々な制度を紹介

目次

ホワイト企業の特徴とは

会社 ホワイト ホワイト企業の特徴には、どのようなものがあるのでしょうか。

前提として、ホワイト企業の定義は人それぞれ違う

それぞれの項目を読む前に前提として理解してほしいことがあります。それは、ホワイト企業の定義は人それぞれ異なるということです。たとえば、多少残業があってもパワハラのない企業を求める人がいれば、給料が安くてもいいので残業のない企業を求める人もいます。残業に関してだけではなく、福利厚生や勤務体制など人それぞれ理想の形は違いますので、まずはこのことを前提にして特徴を確認してください。

労働時間の管理が適切である

ホワイト企業は、社員が生き生きと働ける環境作りを目指しています。労働時間に関することは、そのうちの1つです。労働時間の管理が適切なため、社員が無理な残業をすることなく帰宅できます。長時間労働は厳しく取り締まっていますし、残業をすれば働いた分だけ給与を支払うのです。長時間労働をして体調不良になることはブラック企業ならよくありますが、ホワイト企業ではほとんどありません。社員の体調管理も大事なことだと考えています。

平均年収が高い

社員を使いつぶさなくてもいいぐらいに業績が安定しているのが、ホワイト企業の特徴です。一時的な安定に限らず、業績が良い状態が長続きします。業績の良い状態が長続きした結果、平均年収が上がるのです。お金を稼ぐための効率の良い仕組みが出来上がっており、利益がたくさん出る体質になっています。たくさん出た利益は、社員に回すことができるのです。しっかり作り上げたビジネスの土台は崩れにくいので、高い平均年収を維持できます。

完全週休2日制である

ホワイト企業には完全週休2日制を取り入れている企業も多くあります。社員個人のワークライフバランスにまで配慮して、ビジネスを行っているからです。きちんと休息を取ることは、しっかり働くことと同じぐらい大事だと分かっています。その場限りの対策ではなく、長い目で見て社員が生き生きと過ごしていけるように工夫しているのです。多くのホワイト企業では有休が取りにくい雰囲気とは無縁なので、プライベートの時間を充実できます。プライベートの時間が充実すればストレス発散に繋がり、仕事のやる気も出てくるのです。

充実した福利厚生がある

平均年収が高いことだけではなく、福利厚生が充実しているのもホワイト企業の特徴。独自の休暇制度やボーナス制度を取り入れている企業もあるので、仕事のやる気に繋がります。ある会社では自分を育てるための休暇制度を取り入れているのです。自分を育てるためとは言っても利用方法に制限があるわけではなく、その間に副業をしてもいいですし旅をしてもかまいません。意外なことに、その期間中の転職活動も認められているのです。

健康経営優良法人制度に認定されている

健康経営優良法人制度に認定されている企業も、1つの基準となります。企業が健康経営優良法人に認定されるには、厳しい基準に通過する必要があるからです。認定されるための基準は公開されているので、どのような項目に力を入れている企業なのかを、ある程度推測できます。
以下のコラム内の「健康経営優良法人における必須要件について」という目次にて、2020年の認定基準を公開していますので合わせてご覧ください。

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健康経営優良法人2020は6204法人が選出されました



健康経営優良法人に認定される基準には、選択式ですが感染症予防に関する項目もあります。既に健康経営を行っている企業は、行っていない企業と比較して新型コロナウイルスの対策をあまり急がなくて済んでいます。以下のコラムも合わせてご覧ください。

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健康経営からみる感染症予防対策

ホワイト企業を求人情報から見分ける方法について

求人票 求職 ホワイト企業の見分け方を実践するには、おさえておくポイントがあります。

年収を詳細に公開している

ホワイト企業の求人では、年収を詳細に公開しているところが多いです。たとえば、社員の年代別にモデル年収を掲示しています。ほとんどの企業が求人情報で掲示するのは、採用したときに支払える給料の金額や社員の平均年収、最高月収などです。長期的なキャリアを考えたときに、これらの情報だけでは入社後のことを想像するのが難しくなります。ホワイト企業は社員に長く働いてもらうことを考えているので、基本的に求職者が分かりにくい求人情報を載せません。詳細な金額を掲示できるのは、自信を持っているからとも言えます。ごまかさずに詳しい年収を公開している企業は、ホワイト企業の可能性が高いです。

残業に関する情報がはっきりしている

お伝えした通りホワイト企業は社員のことを考えているので、求人情報で曖昧な説明をしません。一般企業と比べて特に分かりやすくしているのが、残業代や残業時間についての内容です。中には求職者側から促さなくても、何分を超えたら給料を支払うのか掲示している例があります。残業代や平均残業時間について書かれている求人情報があれば、ホワイト企業の可能性が高いと言えるのです。

離職率や平均勤続年数を公開している

ホワイト企業は長い間自社で働いて欲しいと考えています。多くのホワイト企業が自主的に公開している情報は、離職率や平均勤続年数です。離職率が低いので、必然的に平均勤続年数が長くなります。離職率の低さはホワイト企業にとってアピールポイントなので、自主的に公開しているのです。離職率や平均勤続年数を公開すれば、1つの会社で長い間働きたいと考えている人が集まりやすくなります。
 

健康経営優良法人制度とは

社員 ホワイト 企業 現在就職・転職活動中の方の中に、健康経営優良法人認定制度について知っている方は少ないのではないでしょうか。ここでは、健康経営優良法人認定制度について説明します。

どんな制度なのか

健康経営優良法人認定制度とは優良な健康経営を実施している企業を顕彰する制度のことで、経済産業省が認定しています。認定されるための基準を満たした企業が、健康経営優良法人として認められるのです。

どんな認定基準があるのか

当コラムではホワイト企業を探している就職・転職活動中の方に向けて、健康経営優良法人の取り組み事例を参照すれば、1つの目安になるとお伝えしています。健康経営優良法人に認定されるためには厳しい基準に通る必要がありますし、その基準は公開されているからです。

健康経営優良法人認定制度にはどのような認定基準があるのか、2020年分を例にして見ていきましょう。まず経営理念という項目では、「トップランナーとして健康経営の普及に取り組んでいること」との項目や「健康宣言の社内外への発信及び経営者自身の健診受信」との基準があります。2020年ではホワイト500・大規模・中小規模と分かれていて、当てはまる規模によって任意の項目もあるのです。

組織体制の項目を確認すると、「健保等保険者と連携」や「健康づくり担当者の設置」などがあります。制度・施策実行には「産業医または保健師が健康保持・増進の立案・検討に関与」との項目があるので、健康経営優良法人に認定されるには、表面上の取り組みだけでは難しいことが分かるのではないでしょうか。先ほど2020年ではとお伝えした通り、健康経営優良法人の認定制度は、始まった当初から同じものではありません。随時認定基準の内容は変わっており、取得が困難になっています。
2021年からは、新しく「ブライト500」という基準が増えました。
以下のコラムも合わせてご覧ください。

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健康経営優良法人2021で増えた顕彰制度とは

社員のメリットとデメリットについて

健康経営のメリットやデメリットを確認すると、しばしば企業視点のものが見つかります。ここでは、社員の視点から見たメリットとデメリットを紹介しましょう。健康経営を行う会社で働く社員のメリットは、会社主体の取り組みによって健康を維持しながら、生き生きと仕事ができるようになることです。家で自主的に健康への取り組みをしようと思えなくても、企業が社員のことを考えた面白い取り組みを実施してくれれば、働きながら健康維持への活動ができます。

その一方で健康に関する情報を会社に知られたくない社員にとっては、デメリットになることがあります。健康に関する情報は非常にデリケートな問題ですから、知られることに抵抗を感じるのも無理はありませんよね。

社員の健康にまで配慮してくれる企業で働けば、会社に対してポジティブな印象を受けるメリットがあります。その反面、独自のイベント参加やストレスチェックを行うなど仕事以外のことで手間取るデメリットが増えるのです。

なぜ意味のない健康経営を行う企業があるのか

ホワイト企業 悩み 健康経営のメリットデメリットについてお伝えした通り、健康経営を実施して成功する企業ばかりではありません。では、なぜ意味がないと言われる健康経営を行う企業があるのでしょうか。

健康に関する施策の実行だけでは難しいから

とりあえず始めてみたらいいとか、社員にも企業にもメリットしかないとか、そう簡単なものではないのが健康経営の取り組みです。国が積極的に健康経営の増進をした結果、さまざまな取り組みが行われてきたものの、健康経営を行う企業が上げる声は明るいものだけではありません。「健康経営に取り組んでも意味が無いのではないだろうか」「社員が健康になったのかどうか不明である」との声もあります。

お伝えした通り健康経営優良法人に認定されるには、複数の項目を実施する必要があるのです。その中には経営理念に関する項目や組織体制の項目もあるので、ただ健康に関する施策を実行しているだけでは認定されません。計画を実行し、評価したうえで改善するPDCAサイクルが回せる仕組み作りも大切なのです。

持続的な健康経営の実施が求められるから

日本では高度経済成長期の時代から長時間労働が続けられてきたので、健康に関する意識を変えるところから始めなければなりませんでした。しかし現代では、ただ健康を意識するだけではなくそれを持続させることに要点が置かれることになってきたのです。健康経営の主体は「経営」ですから、持続的な視点で考えることが大切だと言えます。ところがこれまでに健康経営を行った企業すべてが、持続的な視点で考えて目標を設定したわけではありません。目標を達成するためには現状の把握と具体的な目標の設定が欠かせませんが、これは企業が行う健康経営にも言えます。

社内の健康状態の把握ができていないから

企業が健康経営の土台を作るためには、社員の健康状態を把握することが大事です。食事や睡眠などを入れた6つの項目を調査するライフスタイル調査は、健康経営を実施するうえで効果が高いものと言えます。調査によって、健康意識の高い社員と低い社員が分かるからです。このライフスタイルの調査を行う場合、社員1人1人が健康経営のことを理解して調査に協力することが大事だと言えます。仕事以外の作業が増えて面倒に感じるかもしれませんが、社員の健康について考えているものだと理解して、協力するのはいかがでしょうか。

ホワイト企業を見分ける目安となる認定マーク

確認 ホワイト企業を見分ける目安となる認定マークを4種、ご紹介します。ここで紹介している認定基準はその年によって変更になる可能性があるので、随時運営している公式サイトなどを確認してください。

①くるみん・プラチナくるみんマーク

少子化対策として仕事と子育てを両立できる環境を作る企業を応援するのが、くるみん・プラチナくるみんマークです。子育てのサポートを自主的に行う企業が増加すれば、少子化の対策になると考えられています。健康経営優良法人認定制度と同じくくるみん認定があり、認定されるための要項があるのです。たとえば男性社員・女性社員における育児休業の取得割合や、コンプライアンス遵守などがあります。そのためお子さんがいらっしゃる方で、働きやすい企業を探している方の目安になるのです。また、プラチナくるみんマークといって、くるみんマークよりもさらに質の高い取り組みを行った企業を認定するマークもあります。くるみんという名前は一般公募から決められたもので、赤ちゃんを包むおくるみと、会社ぐるみで仕事と子育ての両立を手助けしよう、との意味があるのです。

②えるぼしマーク

女性の活躍推進に関して一定の基準を満たした企業に与えられるのが、えるぼしマークです。えるぼしの認定基準には「採用時における男女の競争倍率が同じぐらいであること」や「男女ともに平均勤続年数が同じぐらいであること」、「管理職の女性の割合が平均以上であること」などがあります。そのためえるぼしマークを取得している企業は、性別に関係なく活躍できる企業を探している人に向いているのです。えるぼしマークは通過した基準の数に対して3つの段階に分かれています。また、それよりもさらに優良な認定を受けた企業には「プラチナえるぼし」のマークが与えられるのです。マークの違いなどについて、詳しくは以下のリンクを参照してください。

外部リンク
えるぼし認定、プラチナえるぼし認定

③なでしこ銘柄

女性活躍推進に優れた上場企業を認定する制度として、「なでしこ銘柄」というものもあります。「なでしこ銘柄」は東京証券取引所と経済産業省が共同で選定している認定制度です。仕事と家庭の両立のほかに、女性のキャリア支援もしています。なでしこ銘柄の認定基準では、「女性取締役登用の推進」があり、女性取締役の人数や割合などが細かく決められていますよ。なでしこ銘柄に認定されている企業は長期的に働き、キャリアアップを目指したい女性に向いていると言えるのです。

④ユースエールマーク

ユースエールマークは、厚生労働省が若者の雇用や育成を自主的に行っている企業を認定したものです。認定制度が始まったのは2015年と比較的新しいですが、少しずつ広まっています。少子高齢化の影響を受けて若い働き手が減り続けているので、どの企業にとっても若い働き手は欠かせない存在なのです。ユースエールマークは、若者の労働環境を考えている企業かどうかを見極めるときの目安になります。

まとめ

現在、ホワイト企業の見分け方はたくさんあります。求人票や企業の情報を自主的に探すだけではなく、認定制度によって与えられたマークを目安にすることもできるのです。ホワイト企業の見分け方で迷ったら、さまざまな制度があることを思い出してはいかがでしょうか。
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